沢登りについて少し。―
ふるくから人の生活が入り込み、修験の行場でもあり、山仕事の道、そして国またぎのメインルートでもあった、日本における川、沢の役割。峠越え、という通り「道」といえば、多くの場合、沢沿いについていたはずです。
山頂を踏むことを最大の目的にはせず、沢を遡上するその過程を楽しむ沢登りは、この国独自に醸成されてきたスポーツ文化です。
釣りをメインにする人、古道を追ったり、長旅の一環で沢筋を行く人、源流を詰めて山頂を目指す人など、楽しみ方はそれぞれです。
狭い国なのに、地域によって渓相(沢の雰囲気)は様々、自然が深く生き物の気配も近い。自由度も高い。スポーツ的要素、文化的な側面、頭も使う。私にとってはすごく贅沢な分野です。
紀伊半島の沢は岩が両岸に切り立っているゴルジュ帯でクライミング要素が強い渓が多いようです。今回は、忘れかけていたザイルワークも教わり、とても良い勉強になりました。
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